ごあいさつ
リニューアルオープンを迎えて
このたび高松宮記念ハンセン病資料館は、国立ハンセン病資料館として外観・内容とともにリニューアルオープンいたしました。新しい資料館建設にご尽力いただきました皆様に心より感謝申しあげます。
ハンセン病資料館は、平成4年(1992)に財団法人藤楓協会が創立40周年を迎えた折に、昭和27年(1952)から総裁としてハンセン病問題に深く思いをいたされ、当法人の活動に多大なご尽力を賜った故高松宮宣仁親王殿下を追慕し、また過去100年にわたるハンセン病を取り巻く社会の変遷と諸事業の歴史を明らかにし、後世に資するための記念資料館としてハンセン病関係者及びこのことに賛同された財界からのご支援を受けて建設されました。平成5年(1993)6月25日に開館して以来13年間、来館者の皆様をはじめ多くの方々のご支援を賜りながら関係資料を収集し、常設・企画展示や語り部活動、講演会などを通じて患者・回復者のあゆみを伝える教育普及活動を行ってまいりました。
平成13年(2001)5月の熊本地方裁判所ハンセン病国家賠償請求訴訟判決に際し、政府は「ハンセン病問題の早期かつ全面的解決に向けての内閣総理大臣談話」を発表し、ハンセン病問題の早期解決に向けた取り組みの1つとして「ハンセン病資料館の充実」を表明しました。これを受けて翌平成14年(2002)には厚生労働省は「ハンセン病資料館施設整備等検討懇談会」を設置し、委員及び関係各位のご尽力のもとに資料館の拡充の方針が定められ、国費の投入の下に作業が進められ、今日を迎えることになりました。
新しい資料館は、国が主導するハンセン病に対する正しい知識の普及活動の一環として、今なお社会の中に残っている様々な偏見・差別の解消及び患者・元患者の名誉回復を図ることが期待されています。これまでの資料館の活動を引き継ぎつつ、現在、そして未来の社会に対して、ハンセン病問題を中心として、今日なお社会の各所に残っている困難な病気を抱えている人々の人権を考える場を提供したいと考えております。そのような展示をとおして、人間の尊厳とは何かをよりいっそう深く問い続けるための活動を模索していくこととしております。
同時に、国立の疾病に関する専門の資料館としての責務も自覚しております。ハンセン病をめぐる問題をはじめ、様々な難病に苦しむ方々への社会のありようを考えることができる学びの場でありたいと考えております。病気を抱える人々と社会とのかかわり方は、その時代の推移で大きく変っております。どのような社会環境の中で、医学の進歩と病気に対する専門家、あるいは社会一般の対応がどのように変ってきているかを、客観的に追求する役割があるのではないかと考えております。
多くの課題を抱えておりますが、裏を返せば非常にやりがいのある仕事でございます。関係各位のご教示を仰ぎながら、これらの課題を着実に克服し、拡充された場にふさわしい活動が行えるよう努力することとしたいと思います。今後とも皆様のご支援・ご協力をお願い申しあげます。
平成19年4月
国立ハンセン病資料館