音声アナウンス(詳細)
国立ハンセン病資料館では、ハンセン病への正しい理解を広めるとともに、人権意識の向上、社会啓発の促進等のために、学校、自治体、公共団体等を含めた広く一般の全ての方々に対してホームページ上での音声アナウンスを行っております。どうぞご視聴ください。
1. 資料館の目的 |
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ハンセン病資料館は、ハンセン病に対する正しい知識の普及啓発による偏見・差別の解消及び患者・元患者の名誉回復を図ることを目的としています。 |
(再生時間18秒)
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2. 「ハンセン病」とは |
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らい菌による慢性の感染症です。初期症状は皮疹と知覚麻痺です。治療薬がない時代には変形を起こしたり、治っても重い後遺症を残すことがありました。そのため、主に外見が大きな理由となって社会から嫌われてきました。現在では有効な治療薬が開発され、早期発見と早期治療により後遺症を残さずに治るようになりました。 |
(再生時間37秒)
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3. 国立ハンセン病資料館のあらましとお願い |
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ごあいさつ 国立ハンセン病資料館のあらましとお願い ハンセン病資料館は、はじめ「高松宮記念ハンセン病資料館」として、1993(平成5)年6月に開館しました。その後、規模を大きく拡げ、名称も「国立ハンセン病資料館」と改め、2007(平成19)年4月に再開館しました。 国立ハンセン病資料館の設置根拠は、「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律」(2009年4月施行)の第4章「名誉の回復及び死没者の追悼」中、第18条「国は、ハンセン病の患者であった者等の名誉の回復を図るため国立のハンセン病資料館の設置、歴史的建造物の保存等ハンセン病対策の歴史に関する正しい知識の普及啓発その他必要な措置を講ずる(後略)」という条文です。 全国ハンセン病療養所入所者協議会(全療協)は、この条項について「現在、国立ハンセン病資料館は、その目的として“ハンセン病に対する正しい知識の普及啓発による偏見・差別の解消及び患者・元患者の名誉回復を図ること”をあげています。ハンセン病に対する正しい知識も必要ではありますが、患者・元患者の名誉回復を図るために本当に必要なのは、“ハンセン病対策の歴史に関する正しい知識”であるはずです」と解説しています。 日本のハンセン病対策の歴史は、1897(明治30)年の第1回国際らい会議における〈ハンセン病の予防には隔離が最善〉という提案をそのまま採り入れて、すべての患者を隔離することによって、ハンセン病は絶えるという短絡的な思考のもとに、絶対隔離すなわちすべての患者の終生隔離を目指しました。1907(明治40)年に「癩(らい)予防ニ関スル件」を制定し、さしあたっては放浪する患者の収容からはじめ、1931(昭和6)年には「癩(らい)予防法」に改正して絶対隔離への足がかりをつくりました。その頃すでに、国際的には隔離の必要性は低いという評価が高まり、プロミンの効果が確認された1940年代前半あたりになると、隔離そのものの要否が問題になっていました。 ところが日本は、プロミンの効果をそれなりに認めながらも、再発して感染源になることを恐れて、隔離は依然として必要であるという認識をまげず、漫然と、かつ惰性的に、隔離状態を続けてしまいました。回復者の社会復帰も、ほとんどは本人任せで、積極的に支援することもなく、その困難性を根強い偏見によるものとだけして社会啓発はなおざり、という状況でした。1995(平成7)年、日本らい学会は総会の場において正式にこの過ちを謝罪しましたが、あまりにも遅すぎたのです。 こうした経緯は、現在の〈患者中心の医療〉という基本的なあり方からしますと、全く正反対の行為を強行したものにほかなりません。国立ハンセン病資料館の展示も、絶対隔離を主導した光田健輔やそれを国策として支援した国を批判する構図になっているのは当然のことです。 ただし、このようなハンセン病対策の歴史について、「光田が悪い」、「国も悪い」、「ハンセン病患者は気の毒だった」というように、ご自身は第三者の立場であるかのように考えてはいませんか? 1951(昭和26)年1月に、山梨県下において、長男がハンセン病と診断されたのを苦にして一家9人が青酸カリによる服毒心中を遂げるという、あまりにも痛ましい事件が起きました。この一家が、当時たった5つだった、末の女の子まで道連れにしたのは、ハンセン病をむやみに忌み嫌う村人から、一家もろとも村八分にされることをおそれていたからでしょう。 この事件からすでに半世紀以上が過ぎ、ハンセン病についての常識も大きく変わりました。現在では、治療を開始して数日もすると菌は感染性を失います。未治療の患者と乳幼児との濃密な接触が頻繁にくりかえされた場合を除いて、感染・発病することはまずありません。つまりハンセン病は、ほかの慢性の感染症に比べて、さらに安全な〈普通の病気〉のようなものです。 こうしたハンセン病の常識を念頭に置いて、もう一度、山梨県での一家心中事件を思い起こしてみましょう。現在の常識からすると、このような事件は起こるはずがありません。なぜなら、今の私たちは、現に治療中の患者であるか回復者であるかを問わず、一緒にいることも、ともに暮らすことも、何の問題もないことをよく知っているからです。 繰り返しになりますが、山梨県の家族が一家心中に追い込まれたのは、〈ハンセン病は嫌な病気〉〈付き合ってはならない病気〉というように、周りの人びとから思われている…と、一家の当主がおそれたからです。この、村人から嫌われるのでは…という恐怖は、杞憂だったのでしょうか。みなさんは、これを今、思い違いだとはっきり言えますか。 もし言い切れないと思うのであれば、おそらくは村人たちが患者とその家族を忌避したであろうと同じように、皆さんも患者とその家族を排除する、加害者ということになります。 「私は決して、そのような加害者にはならない」と、どうか心の底の底から、誓えるようになってください。そして、そのあなたの誓いを後押ししているのが、国立ハンセン病資料館です。その意味でも、ぜひともお立ち寄りください。お待ちしております。 |
(再生時間7分15秒)
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4. 目的・理念・求められる資料館像・機能 |
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目的 「ハンセン病問題の早期かつ全面的解決に向けての内閣総理大臣談話」、「ハンセン病療養所入所者等に対する補償金の支給等に関する法律」前文および第1条(趣旨)、第11条(名誉の回復等)、「ハンセン病問題の解決の促進に関する法律」第18条(名誉の回復及び死没者の追悼)に基づき、国が実施する普及啓発活動の一環として、ハンセン病及びハンセン病対策の歴史に関する知識の普及啓発による偏見・差別の解消及び患者・元患者の名誉回復を図る。 |
(再生時間54秒)
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理念
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(再生時間1分2秒)
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求められる資料館像
ハンセン病に関する中核施設として、各療養所と連携を図りながら、ハンセン病についての医学的知識、治療の歴史、患者・元患者に対する偏見・差別の歴史、その苦難の体験についての情報を社会に示し、ハンセン病への理解を促進する。そして、それをもとに来館者が人権等の問題について考える場を提供する。 ハンセン病に関するあらゆる情報を受信・集積し、後世に継承するとともに、同様の取り組みを実施している国内外の関連組織との連携を図り、広く世界へ発信する。 資料館において語り部や患者・元患者との交流を促進する。 |
(再生時間1分2秒)
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機能
資料の収集保存や調査研究活動等によって得られた成果を、教育啓発を通じて一般に示し、ハンセン病に関する理解促進と偏見・差別・排除の解消を目指す。 教育啓発機能と同様に、資料を収集保存し調査研究活動を行い、その結果得られた成果を展示を通じて公開し、ハンセン病に関する理解促進と偏見・差別・排除の解消を目指す。 資料の散逸を防ぎ、適切な形で後世に継承するため、ハンセン病に関わる資料を収集、保存する。 ハンセン病に関わるさまざまな調査研究を行い、教育啓発や展示活動等、資料館活動に有効なものとする。 ハンセン病に関わる情報の受発信と集積を行うとともに、全国の関連機関との連携を図る。 円滑な資料館運営を行うとともに、利用者の利便性を図る活動を実施する。 館内の各活動を円滑に行うための連絡調整や、全国の関連機関との連携促進、資料館の存在・その意義を認知させるための活動を行う。 |
(再生時間1分54秒)
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5.利用案内・交通案内 |
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国立ハンセン病資料館の所在地は、〒189-0002 東京都東村山市青葉町4-1-13、電話番号は、042-396-2909/FAX番号は、042-396-2981です。 交通案内について
【車をご利用の場合】
駐車場の台数が限られていますので、なるべく公共交通機関をご利用ください。 休館日は、月曜および「国民の祝日」の翌日。ただし、月曜が祝日の場合は開館します。その他、年末年始と館内整理日です。 |
(再生時間2分38秒)
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ご視聴について 音声アナウンスは、ウェブアクセシビリティの日本工業規格「JIS X 8341-3:2010」に準拠し視覚障害などを持たれている方でも音声の視聴によりコンテンツの情報を受信できるよう配慮しております。 |